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ブランディングの観点からみる社名変更とは



先日のコラムでご紹介したように、現在進行している企業リブランディング支援のなかで社名変更について検討している企業があります。その資料として、世の中の社名変更(正式名称は「称号変更」)にはどのようなものがあるのかをタイプ別に分類してみたものがありますのでご紹介します。







ブランディングの観点からみる社名変更のタイプ


01|サービス名と社名の統一

設立当初は、現在は提供していないサービスを社名にしていたり、とりあえず会社設立登記のためにつけた社名で設立されることは意外と多いです。そこから意図せずに新しいサービスやブランド名が成長したり知名度を獲得した場合など、社名もそれに合わせることでPRや採用に活かそうという趣旨で統一されるというケースです。

成長中の企業において行われたり、BtoC事業ですでに愛称としてブランド名が浸透しているなど、比較的ポジティブな理由で行われることが多いのが特徴です。



02|業種を外す

設立時にメインだった事業ドメインが、時代の変化を経て変わってきていたり、提供サービスの多角化が進んでいるケースです。比較的社歴が長い企業に多いタイプの商号変更といえます。かつては「〇〇工業」「〇〇商事」「〇〇印刷」といった企業名は多かったですが、最近はブランド名だけを冠する社名も増えています。時代的にはこのタイプが一番多く時代の変化を強く感じます。



03|アルファベットやカタカナ化

こちらは数としては少なめですが、社歴が長い企業やBtoB中心でやってきた企業がグローバル展開の強化やメインとなるマーケットの変更、認知度アップや採用目的を機会として行うことが多いです。漢字だけの表記をカタカナやアルファベットにしたり略称にするといった方法があります。



04|省略化

こちらも数としては少なめですが、顧客・消費者に覚えてもらいやすくして認知度アップを目的に文字数を少なくするケースです。漢字だけの表記をカタカナやアルファベットにしたり略称にするといった方法があります。



05|造語

これは「ザ・社名変更」ともいうべきパターンで、社長がずっと温めていたり、ブランド変更プロジェクトの結果、新しい社名がつけられるようなケースです。このケースでは社名変更に合わせて大掛かりなプロモーションを行うことが多いのも特徴です。

企業の新しいビジョンやミッションを体現する社名も多く、かけられるリソースが大きい反面、変更後はゼロから知名度を獲得しなくてはならないというデメリットもあります。



06|統合・合併

複数の会社が合併したり、一つの会社の一部事業を切り出して分社化するケースです。社名変更というより新しい会社ができたというようなイメージもあるかもしれません。わかりやすいのがメガバンクなど金融機関の合併で、合併前の社名をそのままつなげたような、わかりやすい社名になることも多いのが特徴です。



07|略称のロゴマーク化

登記上の企業名とは別に、略称や愛称をロゴマークとして表現し、世の中にブランドイメージを浸透させていくケースです。「03|アルファベットやカタカナ化」や「04|省略化」と違うところは、ロゴマークと登記されている企業名が違うということです。ひとことでいうと社名は別に略称・愛称をつくり「今風の印象」を発信していくケースです。




以上のように、社名変更を7つのタイプに分類してみましたが、いかがだったでしょうか。


実は上記以外にも、珍しいケースでは、買収された会社のほうが知名度が高く、それを活かす目的で社名変更することもありました。(例:オン・ザ・エッヂ株式会社 → 株式会社ライブドア)

一言で「社名変更」といってもその理由や背景を知ると様々な意図や目的が見えてきます。もし自社で社名変更を検討するときは、思い入れや呼びやすさや文字数などはもちろんですが、上記に挙げたような様々な観点でも効果があるのか、意図しない結果となってしまわないかなど、十分に確認することをおすすめします。






 

ブランドデザイン研究所 / BRAND DESIGN Labs



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